文学部を選んだ理由

学部別在学生インタビュー(大学案内2025)

2024/05/07

立教を選ぶ理由

OVERVIEW

文学部に所属する在学生にそれぞれの学科を選んだ理由などを聞きました。

文学部キリスト教学科4年次 阿部 礼愛さん(宮城県 聖ウルスラ学院英智高等学校)

■学科の魅力
議論をする時は相手の意見を尊重し、普段の会話でも相手への気遣いを見せる、協調性のある学生が多く、いつも和やかな雰囲気であることが魅力の一つです。また、先生方との距離が近く、分からないことがあってもすぐに質問して疑問を解決できます。先生と学生が議論をしながら行う双方向型の授業も少なくないため、積極的に学ぶ姿勢も身につきました。親身になって学びをサポートしていただいた先生方にはとても感謝しています。

■学科での学びをとおして得たもの
「キリスト教と歴史」「キリスト教と絵画」「キリスト教と音楽」など、さまざまな切り口から1つの宗教について考察した経験から、物事を多角的に見つめることができるようになりました。何事もいろいろな姿や見え方があると認識するようになり、目の前にある事象だけに注目するのではなく、一歩引いた地点から全体を見渡すことの重要性を感じています。たとえ困難な状況に置かれていても、冷静に周囲を観察して物事の全体像や本質を見ようという姿勢が養われました。

■将来の目標
人に寄り添い、その人の夢や希望を叶えるお手伝いができるような仕事をしていきたいという目標をもっています。目標に近づくため、困っている人に手を差し伸べるキリスト教の「隣人愛」の姿勢を常に忘れないよう心がけています。また、他者と接する際に自分の考え方を押し付けるような視野の狭い行動を取るのではなく、自分と異なるからこそ相手を尊重できるような人間になれるように、社会人として日々成長していきたいと考えています。

文学部文学科英米文学専修4年次 佐藤 真幸さん(茨城県 並木中等教育学校)

■学科の魅力
入学前から留学を希望していた私にとって、多様な留学プログラムがある本専修は大変魅力的な環境でした。2021年の秋から、文学部の派遣先協定校であるハワイ大学ヒロ校へ留学したのですが、当時は新型コロナウイルス感染症の流行拡大によって海外交流が停滞し、学生生活にも大きな影響が生じていた時。実際に何度も渡航が危ぶまれましたが、先生方は継続的に協定校と協議をしてくださいました。いかなる時にも学びを支えてくださる先生方のおかげで、晴れて1年間の留学生活を送ることができました。貴重な国際交流の機会を与えてもらったことに、感謝しています。

■おすすめの科目
ネイティブの先生が担当する「演習B7」がとても印象に残っています。イギリスの小説家、ロバート・ルイス・スティーブンソンの『宝島』という作品を読み解く授業で、物語を実践的に理解するために、戦いの場面の登場人物を受講する学生が演じました。作品を受動的に読むのではなく、能動的に物語に参加する手法はとても新鮮で、文学に対して新たな視点を身につけることができました。授業の最後にはプレゼンテーションを行い、ネイティブの先生ならではの細やかな指導をいただいたことで、英語力と読解力が大きく向上しました。

■卒業後の進路
卒業までの期間は、留学生が生活する国際寮「立教グローバルハウス」で、共同生活をしながら日本での生活や学びをサポートするレジデントサポーターとして活動します。本専修で培った語学力とコミュニケーション力を生かして、世界各国の留学生を支援したいと思っています。卒業後は、グローバル企業に勤務予定。英米文学を読み解くことで身につけた異文化の知識と、他者の視点から物事を考える力を強みに、多様な国籍の人々と協働しながら社会が抱える課題の解決に取り組みたいと考えています。

文学部文学科ドイツ文学専修4年次 高山 陽生さん(岐阜県 啓晴高等学校)

■おすすめの科目
「文学講義15」では、20世紀の英語圏の文学理論や批評理論について学びました。授業では、よく書けているリアクションペーパーが先生から発表されるため、モチベーションアップにもつながります。先生に読んでもらおうと、毎回はりきって長文を書いていたのがいい思い出です。また、「史学講義44」では、日本のベトナム戦争反戦団体やウーマンリブといった、戦後の社会運動について知ることができました。本学で起きた学生運動についても資料とともに解説され、社会運動の意味や当時の社会背景に対する理解が深まりました。

■研究テーマ
ドイツ語圏の国であるオーストリアの作家、トーマス・ベルンハルトの作品について研究を行いました。私は1975年に出版された『Korrektur』という彼の作品の翻訳版『推敲』を読んで、大きな衝撃を受けました。しかし、何に衝撃を受けたのか自分でもうまく説明できなかったため、掘り下げて研究してみたいと思ったのです。研究では、ベルンハルトの独特の語り口に注目し、他の作家の作品と比較することでその特徴を分析。卒業論文では分析対象を『Korrektur』に絞り、トーマス・マンやアルフレート・デーブリーンの作品と比較し考察していきます。

■将来の目標
4年間の学びをとおして、テキストを単語レベルに分解し、詳細に考察する力が身につきました。一方で、全体を見渡して考える視野の広さも養えました。今後はそれらを生かして、ベルンハルトの小説を1作品、完訳することを目標にしています。ドイツ語の特色、ベルンハルトの語りの特色、日本語の特色を踏まえた上で、自分にしかできない翻訳を成し遂げるのが夢です。

文学部文学科フランス文学専修4年次 小崎 ひよりさん(静岡県 浜松市立高等学校)

■おすすめの科目
ロマンチックバレエについて解説する「文学講義205」がとても刺激的でした。バレエというと華やかなイメージがありますが、実際は当時の社会状況が色濃く反映されています。授業では、主に19世紀のバレエ作品について学びましたが、「階級は無くなっても階層は無くならなかった」という先生の言葉が印象に残っています。私自身、バレエを習っていたことがあるのですが、そうした捉え方があることに衝撃を受けました。

■研究テーマ
ゼミではプロスペル・メリメの代表作『カルメン』を読み、ジェンダーを切り口に考察。同小説をもとにしたオペラを知っており、この機会に詳しく学びたいと思い、このテーマを選びました。また、現在大学院の授業も履修し、中世や古フランス語について専門的に学んでいます。中でも中世の写本を読んだことは大変貴重な経験で、暗号を解読しているようでとても面白く取り組めました。卒業論文にも生かしたいと考え、デジタル化された写本を自分で翻訳する作業を進めています。

■将来の目標
中世のフランス文学について、より深く学びたいという気持ちがあるため、大学院に進学する予定です。その後は、語学力を生かして海外に出て、世界のために貢献できるような仕事に就きたいと考えています。他方で、世界中の文学に触れる経験を重ねて、「人間とは」という普遍的な問いにも向き合い、自分なりの答えを模索し続けたいという目標ももっています。作品を読み解くことで身につけた思考力や外国の歴史・文化を深く掘り下げた経験は、グローバルに仕事をしたり、答えのない問いを考えたりする上で必ず役に立つはずです。

文学部文学科日本文学専修4年次 谷口 雄一さん(東京都 巣鴨高等学校)

■学科を選んだ理由
高校時代、担任の先生に平安時代の慣習や文学の面白さに関して詳しく教わったことから、平安文学に興味をもち、『源氏物語』をはじめ、『竹取物語』や『浜松中納言物語』などの作品を読みました。遥か昔に書かれた作品に込められた思想や時代背景についてもっと深く知りたいと思い、本専修に進学。大好きな文学について存分に学ぶ機会は、大学時代しかないと考えたことも本専修を選んだ理由です。

■おすすめの科目
1年次の必修科目である「日本文学研究法」がおすすめです。本専修に所属する全ての先生が、それぞれの研究分野について解説するオムニバス形式の講義で、日本文学について網羅的に知ることができます。これまで関心が向いていなかった分野への理解を深め、興味をもつきっかけを得られるという点で、ぜひ積極的に受けてほしい授業です。私は中古・中世文学には強い関心がありましたが、近世・近代の文学に対する知見が乏しかったため、江戸時代の作品や明治時代の文豪の作品を詳しく学ぶのに大いに役立ちました。

■将来の目標
「文学部で学ぶ内容は金にならない虚学であり、学ぶ必要性はない」という議論を耳にすることがあります。確かに、文学部で学んだことを直接生かせる職業に就くことは難しいかもしれません。しかし、仕事に直接役立たないからといって、文学が無意味だとは思いません。文学は人の心を豊かにしてくれるものですし、苦しい時や困った時に自身を支える指針になってくれると信じています。私は、社会人として働きながらも本を読み漁り、平安文学や方言の分布など関心のある分野を掘り下げ続けていきたいと考えています。

文学部文学科文芸・思想専修4年次 鈴木 茉里さん(三重県 セントヨゼフ女子学園高等学校)

■学科を選んだ理由
もともと文学、ひいては作家という存在に関心があり、大学では文学を学びたいと思っていました。しかし同時に、文学の歴史だけではなく創作法も知りたい、作家が辿ってきた思想も気になる、哲学において文学はどのように扱われているのだろうか……と多くの興味を抱え、どの分野を専攻すべきか決められずにいました。そんな時、文学を根底に創作と思想を横断して学ぶことができる環境があると知り、本専修への進学を決意しました。学び進める中で、人間はなぜここまで文学に惹かれるのか探ることができると思ったのです。

■研究テーマ
ジョルジュ・バタイユというフランスの文学者について研究しています。「なぜ人は書き続けるのか」「書くことに意味などないのでは」と悩みながらも、文学と接してきた自分の行動を不思議に思っていました。バタイユは、「いまや詩について、私の知るかぎり、それは言葉を生贄にする供犠であると言おう」と語っています。バタイユの思想の中でも重要な語のひとつである「供犠」のうち、自己供犠が表すものを取り上げ、文学が生まれる際に犠牲になるものとは何なのかを調査したいと考えています。

■卒業後の進路
卒業後は大学院へ進学し、バタイユを参照しながら、現代における「犠牲」とは何かを研究したいと考えています。本専修では、「実作」や「思想」をはじめとした様々な分野を横断しながら学びました。引き続き、体験を大切にしながら、先人の知恵を正確に理解・活用することで、学びをより深めていきたいです。

文学部史学科4年次 内山 空さん(茨城県 東洋大学附属牛久高等学校)

■学科を選んだ理由
入学前から歴史に関心をもっていましたが、日本史や世界史という区分に縛られず、広い視点で歴史や文化を捉えたいと思い、本専修に進みました。現在所属しているアメリカ社会史のゼミを選択した理由は、アメリカンコミックスやハリウッド映画などアメリカのエンターテインメント文化に興味があり、その根底にあるものを知りたいと思ったからです。

■おすすめの科目
「超域文化学講義7」では、『「いま」を考えるアメリカ史』というテキストをもとに、アメリカの歴史のさまざまな側面について学びました。テキストから知識を得るだけでなく、著者の狙いや執筆の際に使われた歴史資料についても考察します。その上でディスカッションを行うのですが、異なる意見や主張に触れることで、自分自身の考え方そのものを反省することも。一見「良いもの」であっても、それによって生じる問題があるかもしれない。「理解しがたいもの」でも、目的がわかれば社会に与える影響を正しく推察できるかもしれない。あらゆるものに対して、批判的な考え方ができるようになりました。

■研究テーマ
アメリカの新興右翼勢力である「オルタナ右翼」について研究しています。オルタナ右翼は、インターネット上で差別的なネットミームやヘイトスピーチを投稿したり、コミックスを出版して自身の主張を訴えたりしていることで問題視されています。私はかような人たちが大衆文化やその業界に関与する理由が気になり、研究対象として取り上げることに。3年次の「卒業論文予備演習」では、一連の騒動を時系列順に整理したり、出版されたコミックスの内容を調査したりと、彼らの活動の背景にあるものを浮かび上がらせようと試みました。

文学部教育学科4年次 村田 彩華さん(神奈川県 大和高等学校)

■学科の魅力
1・2年次で教育学を広く学んだ上で、3年次に、小学校教員を目指す初等教育専攻課程と、教育学をより深く学ぶ教育学専攻課程のどちらに進むかを選択できる点が、本学科の魅力だと思います。私も、追究したい分野をじっくり考えてから道を選ぶことができました。また、1人で先生の話を聞くというスタイルではなく、他の学生と意見を交わしながら考えを深めていく授業が多いように思います。学びあいの楽しさや、自分にはなかった視点が得られる面白さを感じながら専門的な知識を身につけられるはずです。

■研究テーマ
ゼミでは運動会の危険性について研究して論文をまとめました。現在の小中学校の運動会では、組体操や騎馬戦などの競技が危険視されているにもかかわらず存続しています。続けることに学校側はどのような意義を見いだしているのか?また子どもたちは競技に取り組むことで本当に成長できるのか?そうした疑問に答えを出すべく、運動会の現状について調査しました。さらに、卒業論文では学級崩壊と子どもたちを取り巻く環境との関係性について研究するつもりです。子どもの意思表示の1つの形である学級崩壊を深掘りし、現代の子どもが抱える問題を明らかにしたいと思っています。

■学科での学びをとおして得たもの
本学科では広い視野で教育を捉え、学ぶことができました。各教科の教授法を身につけるだけではなく、教育全体の歴史を学んだり発達面から教育のあり方を考察したりと、教育そのものとじっくり向き合うことができたのは、立教大学の教育学科だからこそだと思います。多様な見方・考え方ができるようになり、教員に必要な力が得られました。

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