公開シンポジウム
「新しい情勢の下でのグローバルな香港研究」
INFORMATION
近年香港情勢が激動する中で、香港研究の拠点は日本や台湾、欧米諸国など、世界に広がっている。台湾をはじめ世界各地から香港研究の専門家を招き、日本の研究者と議論する。
日本国内在住登壇者
本学法学部教授、アジア地域研究所員
倉田 徹
東京学芸大学教育学部非常勤講師
萩原 隆太(はぎわら りゅうた) 氏
一橋大学修士(法学)。2020年から2023年まで在香港日本国総領事館専門調査員。専門は香港法。論文に「香港における社会運動と法の関係:逃亡犯条例改正反対デモを手がかりに」(『中国研究月報第75巻第2号』、2021年)、「香港における法治の様相:『司法の政治化』をめぐって」(倉田徹・小栗宏太編著『香港と「中国化」:受容・摩擦・抵抗の構造』明石書店、2022年)など。
亜細亜大学アジア研究所教授
遊川 和郎(ゆかわ かずお) 氏
1984年東京外国語大学卒、駐香港日本国総領事館専門調査員、株式会社日興リサーチセンター上海駐在員事務所長、北海道大学大学院メディアコミュニケーション研究院准教授、教授。2012年から現職。著書(単著)に『香港返還20年の相克』(日本経済新聞出版社、2017年)
東京大学大学院総合文化研究科教授
阿古 智子(あこ ともこ) 氏
現代中国研究、比較教育社会学。1971年大阪府生まれ。大阪外国語大学、名古屋大学大学院を経て、香港大学教育学系Ph.D(博士)取得。在中国日本大使館専門調査員、早稲田大学准教授、東京大学大学院総合文化研究科准教授などをへて、現在同教授。著書に『貧者を喰らう国—中国格差社会からの警告』(新潮選書、増補新版)、共著に『超大国中国のゆくえ—勃興する民』(東京大学出版会)、『21世紀の中国(中国の歴史・現在がわかる本)』(かもがわ出版)、『東アジアの刑事司法、法教育、法意識』(現代人文社)ほか多数。
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所ジュニア・フェロー
小栗 宏太(おぐり こうた) 氏
博士(学術)(東京外国語大学)。著書に『香港残響:危機の時代のポピュラー文化』(東京外国語大学出版会、2024年)、共編著に『香港と「中国化」——受容・摩擦・抵抗の構造』(明石書店、2022年、倉田徹との共編)など。映画『縁路はるばる』の字幕翻訳(2023年日本公開、山田愛玲との共訳)など、香港に関連した作品の翻訳や紹介も行う。
早稲田大学非常勤講師
張 宇博(ちょう うはく) 氏
早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は香港映画、中国語圏映画、比較映画研究。中国語教育の授業も担当する。単著に「香港映画にみる越境の変容-『金都』と香港アイデンティティ」(『香港と中国化-受容、摩擦、抵抗の構造』、明石書店、2022)など。翻訳に「近世東アジアの戦争と文学」(『日本「文学史」第三冊』、勉誠社、2019)などがある。
元 NHK放送文化研究所上級研究員
山田 賢一(やまだ けんいち) 氏
1962年生まれ。1984年一橋大学を卒業。同年NHK入局。金沢放送局記者、東京国際部記者、北京駐在、東京国際部記者、東京経済部記者、東京国際部記者、金沢放送局ニュースデスク、放送文化研究所研究員、同主任研究員、同上級研究員、同メディア研究部副部長、同上級研究員、国際放送局チーフプロデューサーを歴任。
フリーランスジャーナリスト
小川 善照(おがわ よしあき) 氏
1969年佐賀県生れ。東洋大学大学院博士前期課程修了。社会学修士。在学中からフリーランスの記者として雑誌媒体で事件、政治問題などを取材。2008年『我思うゆえに我あり 山地悠紀夫の二度の殺人』で、第15回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。2014年10月に雨傘運動の現場に足を運んで以来、香港民主化運動の取材を続け、2020年5月に『香港デモ戦記』(集英社新書)を上梓。
フォトジャーナリスト
クレ・カオル 氏
香港出身、英インペリアル・カレッジ・ロンドン遺伝子情報学系修士課程卒。ずっと理系の道を歩んできたが、2019年の香港民主化運動をきっかけに趣味の写真を仕事に変え、ジャーナリストに。香港紙・リンゴ日報(アップルディリー、21年廃刊)において、20年、民主化運動に揺れたベラルーシからの現地情報を投稿し、東ヨーロッパと出会う。21年、香港の政治情勢悪化によりイギリスへ移住。22年、ロシア軍の集結で緊張するウクライナへ渡航し、22年12月まで8ヶ月にわたって現地の情勢を写真で記録してきた。
テレビドキュメンタリー制作プロデューサー
平野 愛(ひらの あい) 氏
1974年生まれ。97年上海師範大学卒業。現アジアンコンプレックス取締役、プロデューサー。代表作『チャイナブルー~ある企業家の記録』(NHK2016)、『それでも声を上げ続ける~香港・記者たちの闘い』(NHK2021)など。
東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授
倉田 明子(くらた あきこ) 氏
埼玉県飯能市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。博士(学術)。東京外国語大学大学院総合国際学研究院講師を経て、2017年より同准教授。専門は中国・香港近現代史、キリスト教史。単著に『中国近代開港場とキリスト教』(東京大学出版会、2014)、共編著に『香港危機の深層』(東京外国語大学出版会、2019)、訳書に『香港の歴史』(共訳、明石書店、2020)、『九龍城寨の歴史』(みすず書房、2022)ほか。
神奈川大学外国語学部教授
村井 寛志(むらい ひろし) 氏
1971年生まれ。横浜出身。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。東海大学等非常勤講師、神奈川大学助教・准教授を経て現職。専門は中国・香港近現代史、マレーシア華人現代史、越境的大衆文化史。共著に『香港危機の深層』、『香港の過去・現在・未来』等。
駒場東邦中学校・高等学校社会科教諭
西中 利江(にしなか りえ) 氏
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科博士前期課程修了、修士(人文科学)。2012年より現職。大学院まで日本中世史を専攻。2013年に香港初訪問。以降定期的に自主フィールドワークを続け、現在、明治初期(香港開港時)の日港関係を研究。
TBSテレビ「報道特集」キャスター、本学法学部兼任講師
日下部 正樹(くさかべ まさき) 氏
1985年TBSテレビ入社。香港支局長、北京支局長、ソウル支局長などを経て、2009年より「報道特集」キャスター。香港の政治運動などについて活発に取材。2024年から立教大学法学部兼任講師。
海外在住登壇者
台湾
国立台湾大学社会学系教授
何 明修(か めいしゅう) 氏
1973年台北市生まれ。1995年国立台湾大学外国語文学部卒業、2000年国立台湾大学社会学研究所博士課程修了、ニューヨーク大学社会学研究所博士研究員。研究分野は、政治社会学、社会運動、労働社会学、教育社会学、社会学理論。華南大学応用社会学部および社会学研究所助教授、国立中山大学社会学研究所助教授、国立台湾大学社会学部教授を経て、2000年より現職。社会運動、労働社会学、環境社会学に関心をもつ。
国立台湾大学社会学系副教授
呂 青湖(りょ せいこ) 氏
2015年ワシントン大学で博士号取得。経済再編、移民、社会文化的変化と、アジアにおけるジェンダー関係や家族構造に影響を与える国の政策との相互作用に研究の焦点をおく。移動、政治的論争、政治的抑圧などの複雑な関係や、社会変化への対応における家族の役割についても研究。
中央研究院社会学研究所長、研究員
陳 志柔(ちん しじゅう) 氏
米・デューク大学社会学博士。台湾・国立清華大学教授などを経て現職。最近の研究テーマは(1)現代中国における国家と社会の関係、中国における集団的抵抗と国家の反応など、(2)両岸関係や社会的相互作用に対する中国の影響、両岸関係や関連政策に対する台湾の人々の態度の傾向など、(3)社会関係資本と社会移動、社会関係資本の源泉と影響、社会関係資本の国家間比較など。
佛光大学社会学・ソーシャルワーク学系副教授
鄭 祖邦(てい そほう) 氏
台湾・国立政治大学博士。専門は政治社会学、社会学理論、市民社会。共著に『中国ファクターの政治社会学—台湾への影響力の浸透』、白水社、2021年(川上桃子訳)など。
中央研究院社会学研究所研究員
呉 介民(ご かいみん) 氏
米・コロンビア大学政治学博士。台湾・国立政治大学副教授などを経て現職。研究テーマは政治社会学、政治経済学、社会運動、民主化、公共圏など。
中央研究院社会学研究所訪問研究員
梁 啓智(りょう けいち) 氏
元香港大学・嶺南大学講師。学生時代から社会運動に積極的に参加。『明報』などのコラムニスト、評論家としても活躍。
中央研究院社会学研究所客員研究員
陳 健民(ちん けんみん) 氏
米・イェール大学社会学・哲学博士。香港中文大学副教授などを経て現職。社会運動や中国政治などを研究。
香港
香港浸会大学政治・国際関係学系副教授
袁 瑋熙(えん いき) 氏
政治学者。香港嶺南大学助理教授などを経て現職。争議政治、市民社会、政治行動、健康政治に関心。香港、台湾、中国本土に地域的な焦点をあてている。現在の研究テーマは、若者の政治、コミュニティ参加、ソーシャルメディアと民衆抗議の関連性である。
香港恒生大学社会科学系副教授
鄧 鍵一(とう けんいち) 氏
香港中文大学でコミュニケーション博士号を取得。専門は政治コミュニケーション、ソーシャルメディア。公共政策研究センター副所長。
香港恒生大学メディア学院副教授
陳 智傑(ちん ちけつ) 氏
研究テーマはジャーナリズム、メディア社会学、マス・コミュニケーション、リスク・コミュニケーション、文化的アイデンティティなど。ジャーナリズム、ジャーナリズム研究、メディア、文化と社会、ジャーナル・オブ・コンテンポラリー・チャイナ、ジャーナル・オブ・チャイナ・スタディーズ、ジャーナル・オブ・チャイナ・スタディーズなど、コミュニケーションや中国研究に関する国際ジャーナルに論文を発表。
香港中文大学新聞・メディア学院教授、国際コミュニケーション学会会員
李 立峯(り りつほう) 氏
米・スタンフォード大学博士。研究テーマはジャーナリズム、政治コミュニケーションおよび社会運動。学術書・論文多数に加え、香港のオピニオン・リーダーとしてメディア等でも活躍。2023年、編著書の邦訳版が出版された。(李立峯編、ふるまいよしこ・大久保健訳『時代の行動者たち:香港デモ2019』、白水社)
米国
カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校社会学系教授
李 静君(り せいくん) 氏
1987年香港中文大学社会学部卒業、カリフォルニア大学バークレー校で修士号(1988年)と博士号(1994年)を取得。1994年から1999年まで香港中文大学社会学部助教授、2000年から2008年までミシガン大学社会学部助教授・准教授、2008年以降はカリフォルニア大学ロサンゼルス校社会学部教授。2008年よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校社会学部教授。研究テーマは労働、グローバリゼーション、政治社会学、グローバル・サウスの発展、比較民俗学、香港、台湾、中国、アフリカ。
詳細情報
名称
「新しい情勢の下でのグローバルな香港研究」