公開講演会「表現の不自由展からの挑戦」
INFORMATION
「表現の不自由展」が始まったのは2015年であった。2019年に「表現の不自由展」実行委員会が招待されたあいちトリエンナーレ(国際芸術展)では、開催3日目に開催が中止された。これは主催者が中止にしたもので、同実行委員会や作家の意見は無視され、右派らによる妨害攻撃に屈した形となってしまった。その後、展覧会を開催してほしいという観客の声に応え、同実行委員会は東京で企画した。しかし2021年はギャラリーへの妨害・攻撃によりオーナーが断念、延期を余儀なくされた。そこで2022年、公共施設に変更し周到な準備の末、東京都国立市で無事開催することができた。この間、同実行委員会の主催に賛同して各地で「表現の不自由展」が開催された。同実行委員会では、これらの過程の中で経験したことや課題は市民の皆さんと共有する意味があると考え『表現の不自由展からの挑戦 消されたアートと対話する12のヒント』(梨の木舎)を作った。
表現の不自由展が過剰な妨害攻撃に晒され続けているという事実は、日本社会では、多数意見や「空気」に反するような表現が、いかに苛烈な反発、排除に遭うかということを明らかにしている。一連の経緯を振り返りながら、表現の不自由展の開催が投げかけた問題について、多くの人と共有し議論する場として公開講演会を開催する。
講師
一橋大学名誉教授
鵜飼 哲 氏
フランス現代思想、特にジャック・デリダの研究で著名。1999年一橋大学教授などを経て2018年から一橋大学名誉教授。著書に『ジャッキー・デリダの墓』(みすず書房、2014)、『テロルはどこから到来したか-その政治的主体と思想』(インパクト出版会、2020)、『いくつもの砂漠、いくつもの夜』(みすず書房、2023)など。
編集者、表現の不自由展・東京共同代表
岡本 有佳 氏
1986年東京女子大学社会学部卒業。書籍の編集のほか、書評紙、季刊雑誌などの編集に携わる。現在はフリーで編集者、生活ニュースコモンズ記者。共編著に『あいちトリエンナーレ展示中止事件』(岩波書店)、『〈平和の少女像〉はなぜ座り続けるのか』(世織書房)、『《自粛社会》をのりこえる』(岩波ブックレット)、『だれが「日韓対立」をつくったのか』(大月書店)など。
弁護士、第二東京弁護士会人権擁護委員会副委員長
李 春熙 氏
2002年京都大学経済学部卒業、2005年弁護士登録(58期)、第二東京弁護士会所属、2005年田村町総合法律事務所入所、2010年銀座三原橋法律事務所設立。著作に「Q&A新・韓国家族法」(日本加除出版)(共著)「外国人・民族的マイノリティ人権白書2010」(明石書店)(共著)など。
進行
メディア総合研究所所長
谷岡 理香 氏
元東海大学文化社会学部広報メディア学科教授(女性学修士)。1980年~83年テレビ高知報道部アナウンサー、1986年~東京にてフリーランスアナウンサーとして活動。2013年~2022年東海大学教授。2022年4月~メディア総合研究所所長。2015年~2016年日本マス・コミュニケーション学会理事、2018年国際ジェンダー学会大会実行員会委員、2022年~国際ジェンダー学会学会誌編集委員。
詳細情報
名称
対象者
申し込み
- 事前申し込み 不要
- 参加費 有料
資料費:1,000円(学生は無料)