公開シンポジウム「暑熱順化の中枢機構、腸内環境からヒトへの応用まで」

INFORMATION

  • 2025年3月16日(日)15:00~17:00
  • ハイブリッド型開催(対面・オンライン)
    池袋キャンパス 太刀川記念館3階 カンファレンス・ルーム

近年、地球温暖化が世界中で大きな問題となっており、熱中症による健康被害が増加している。この様な状況下で、熱中症対策として「暑熱順化」の重要性が注目されている。しかし、暑熱順化による末梢効果器の形態的・機能的変化については多くの研究があるが、その中枢機構については未だに明らかになっていない。そこで、本シンポジウムでは、先ず、基礎的観点として暑熱順化に伴う脳内神経伝達物質の変化や視床下部の神経新生について、最新の知見を紹介する。次に、近年、心身のコンディションとの関係で注目されている腸管機能に着目し、アスリートサポートを含めた暑熱対策について、分子生物学的視点からの知見を紹介する。最後に、応用的観点として、暑熱環境下でのパフォーマンスを最大限に発揮する必要があるアスリートの暑熱順化や身体冷却の効果の実践的な取り組みを紹介し、効果的な暑熱対策について学ぶ。最終的に神経生理学的、運動免疫学的、スポーツ科学的観点から暑熱順化やその対策を検討し、人々のウエルネスに還元することを目標とする。

講師

オーガナイザー

フリンダース大学准教授
大塚 曜一郎 氏

博士(医学、筑波大学)。筑波大学出身。1999年から筑波大学基礎医学系助手を務めたのち、2000年にオーストラリアに渡り、Howard Florey Institute のSenior Research Officerとなる。2009年に鹿児島大学大学院医歯学総合研究科の准教授として帰国したが、2013年に再度オーストラリアに渡り、現在はFlinders University, Flinders Health and Medical Research Institute, College of Medicine and Public Health のAssociate Professorである。統合生理学が専門で「体温調節神経機構:皮膚血管運動中枢の同定」について研究を進めている。

オーガナイザー、講演者

本学スポーツウエルネス学部教授
石渡 貴之

博士(理学、東京都立大学)。横浜国立大学出身。2008年に本学コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科の助教に就任し、その後准教授を経て、現在は本学スポーツウエルネス学部の教授である。2016年4月より1年間米国University of Colorado Denver のResearch Scholar、2023年10月より半年間豪州Flinders University のHonorary Research Scholarとして在籍。環境生理学が専門で「環境ストレスが生理指標、脳内神経伝達物質、情動行動に及ぼす影響」について研究を進めている。

講演者

島根大学医学部准教授
松崎 健太郎 氏

博士(医学、東北大学)、博士(医学、島根大学)。東北大学出身。2007年に島根大学医学部の助教に就任し、その後講師を経て、現在は同大学同学部の准教授である。環境生理学が専門で「暑熱馴化の神経基盤と熱中症予防法の解明」について研究を進めており、高齢者や認知症患者における体温調節機能の解明とその熱中症予防への応用が期待されている。

川崎医療福祉大学医療技術学部健康体育学科准教授
松生 香里 氏

博士(医学、東北大学)。大阪体育大学出身。2008年に東北大学大学院医工学研究科運動学分野の助教に就任し、その後立命館大学スポーツ健康科学部の助教、東北工業大学共通教育センター人間科学部の講師、東北大学大学院医学系研究科行動医学分野の助教を経て、現在は川崎医療福祉大学医療技術学部健康体育学科の准教授である。運動免疫学が専門で「心身のコンディションと腸管防御機能の関連」について研究を進めている。

独立行政法人日本スポーツ振興センターハイパフォーマンススポーツセンター副主任研究員、国立スポーツ科学センタースポーツ科学研究部門副主任研究員
中村 真理子 氏

博士(スポーツ医学、筑波大学)。武庫川女子大学出身。2001年に武庫川女子大学健康・スポーツ科学科の嘱託助手に就任し、その後国立スポーツ科学センタースポーツ科学研究部の契約研究員、研究員、専任研究員を経て、現在は独立行政法人日本スポーツ振興センターハイパフォーマンススポーツセンター/国立スポーツ科学センターの副主任研究員である。運動生理学とスポーツ医学が専門で東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における暑熱環境対策プロジェクトではリーダーを任され、大会で選手をサポートした。

本学スポーツウエルネス学部教育研究コーディネーター
中川 晃

博士(スポーツウエルネス学、立教大学)。本学出身。2019年に学術振興会の特別研究員(DC2)、2020年からは公益財団法人東京都医学総合研究所の脳機能再建プロジェクトの研究員として医療領域の新たな研究テーマで取り組んできた。その後2023年からは母校である本学に新たに設立されたスポーツウエルネス学部の教育研究コーディネータに就任し、教員のサポート、そして学生のファシリテート、更には自身の研究にと活躍をしている。環境生理学が専門で「暑熱馴化中の生理指標、脳内神経伝達物質、情動行動の関係」について研究を進めている。

詳細情報

名称

公開シンポジウム「暑熱順化の中枢機構、腸内環境からヒトへの応用まで」

内容

・暑熱順化と脳内神経伝達物質、不安様行動の関係:石渡貴之
・マイクロダイアリシス法を用いた暑熱順化ラットの脳内神経伝達物質リアルタイム計測:中川晃
・暑熱順化形成の中枢(視床下部)機構と運動トレーニングの効果:松崎健太郎氏
・アスリートの暑熱対策サポートにおける腸内細菌とコンディションの関係:松生香里氏
・アスリートにおける暑熱順化や身体冷却の実践的な取り組みとパフォーマンスの関係:中村真理子氏

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

申し込み

  • 事前申し込み 必要
  • 参加費 無料

以下のWebサイトよりお申込みください。

主催

スポーツウエルネス研究所

お問い合わせ

スポーツウエルネス研究所事務局

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