公開講演会「いま韓国の民主主義はどうなっているのか?韓国出身の3人の女性社会教育研究者が語り合う!」
INFORMATION
韓国では1987年6月の民主化宣言以降、急速に民主化が進んだ。1988年には国民の直接投票による大統領選挙が実施され、1995年からは地方自治制度が本格的に導入された。近年では韓国の民主化をテーマにした映画が日本で上映され、大きな話題を呼んでもいる。その背景には、停滞する日本の民主主義からの脱却を、韓国の民主化経験に学ぼうとの姿勢があるように思われる。2016年のキャンドルデモで、当時の朴槿恵大統領を退陣に追い込んだ光景は記憶に新しい。そうであるからこそ、2024年の尹錫悦大統領による戒厳令の宣言によるクーデター未遂は衝撃的であった。それと同時にクーデターを身体を張って阻止した「市民」の姿に、韓国の民主主義の底力を感じることになった。
民主主義を根本から支えるのは教育である。だが、韓国では日本以上に競争的な学校教育が展開している。ならばどこに「市民」が育つ場所や文化があるのだろうか。本講演会では、韓国の民主主義の現在とそれを支える政治文化や市民意識について、日本の大学で教鞭をとる3人の韓国人の社会教育研究者に縦横無尽に語り合ってもらう。
李正連氏には韓国の市民社会と民主主義の現在史を、呉世蓮氏には1980年の光州事件後に光州が独自に行ってきた民主市民教育と今回の戒厳に対する光州市民の反応を、金亨善氏には日韓の若者文化の比較から韓国社会の現状を話していただく。
講師
東京大学大学院教育学研究科教授
李 正連(イ・ジョンヨン) 氏
1972年韓国忠清南道洪城郡生まれ。1996年韓国の東国大学教育学科卒業後、同大学大学院教育学科修士課程進学、修了。2000年名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程に入学、2005年博士学位取得後、2006年同研究科助教授として着任。2011年より東京大学大学院教育学研究科准教授を経て、現在に至る。主な著作に『韓国社会教育の起源と展開~大韓帝国末期から植民地時代までを中心に~』(大学教育出版,2008年)、『躍動する韓国の社会教育・生涯学習』(共編著)(エイデル研究所、2017年)『植民地朝鮮における不就学者の学び~夜学経験者のオーラル・ヒストリーをもとに~』(博英社、2022年)などがある。
関東学院大学国際文化学部准教授
呉 世蓮(オ・セヨン) 氏
1985年韓国光州広域市生まれ。2008年早稲田大学教育学部教育学科生涯教育学専修卒業、早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。早稲田大学教育・総合科学学術院助手・非常勤講師、本学、日本女子大学、立正大学、日本大学非常勤講師を経て、2022年関東学院大学国際文化学部専任講師として着任し、現職に至る。主な著作に『多文化・多民族共生時代の世界の生涯学習』(共著)(学文社、2018年)、『多文化社会の社会教育:公民館・図書館・博物館がつくる「安心の居場所」』(共著)(明石書店、2019年)、『日本と韓国における多文化教育の比較研究学校教育、社会教育および地域社会における取り組みの比較を通して』(単著)(学文社、2021年)などがある。
東北大学高度教養教育・学生支援機構学術研究員
金 亨善(キム・ヒョンソン) 氏
1988年韓国京畿道果川市生まれ。2013年ソウル大学仏語教育学科卒業、2015年ソウル大学国際大学院国際地域学専攻修士課程修了後、韓国教育開発院にてOECD/UNESCOの国際教育統計担当研究員として勤務。2019年から東京大学教育学研究科博士課程に進学し、日本の社会教育・生涯学習論を基にしながら、既存の学校教育のあり方における再検討に着目し、「開かれた学校」づくりや地域学校協働活動における研究をしている。東洋大学・立正大学等の非常勤講師を経て、2024年から内閣府のSIPの課題「ポストコロナ時代の学び方・働き方を実現するプラットフォームの構築」に学術研究員として関わっている。主な著作に『社会教育新論:「学び」を再定位する』(共著)(ミネルヴァ書房、2022年)などがある。