OBJECTIVE.
立教大学文学部史学科を卒業、大学院文学研究科で博士学位(文学博士)を取得された作家の上橋菜穂子さんが、第72回「菊池寛賞」を受賞され、2024年12月6日に授賞式が行われました。

第72回菊池寛賞授賞式。2024年12月6日(写真提供:文藝春秋)
菊池寛賞は、文芸・映画・出版などさまざまな文化分野において業績をあげた個人や団体を表彰する賞で制定から86年を数え、公益財団法人日本文学振興会が主催しています。
受賞について、〔「守 り人」シリーズ、『鹿の王』『香君』など、35年にわたりファンタジーの名作を数多く発表。その普遍的な生命観・自然観に貫かれた作品群は、「国際アンデルセン賞作家賞」受賞をはじめ、世界中で高く評価されている〕と、評価されています。
上橋さんからこの度の受賞についてコメントをいただきました。
受賞について、〔「
上橋さんからこの度の受賞についてコメントをいただきました。
コメント
菊池寛賞受賞の言葉

上橋菜穂子さん(撮影:小池博)
立教大学で文化人類学を学んでいた大学院生のときに、私は作家としてデビューしました。もう36年近く前のことです。日本の文学に多大な功績を残した作家たちが受賞してきた菊池寛賞を、まさか私などが受賞するとは思ってもおりませんでしたが、長く執筆を続けてきた作家に与えられるこの賞をいただいたとき、「よくここまで歩いてきたね」と温かい手で背を撫でてもらったような気がしました。
物語の種が、いつも、いくつも頭の中にあるという作家もいらっしゃいますが、私にはそのような才能はありません。ただ、様々な人々、様々な経験が私を導いて、ここまで連れてきてくれたのだと思っています。
立教大学で文化人類学に出会い、恩師方、先輩方、友人たちから多くを学ばせていただいたこともまた、私に、物語を生み出す豊かな土台を与えてくれました。その土台がなかったら、これほど長く、物語を紡ぎ続けることは出来なかったでしょう。
作家として歩き続ける土台を授けてくださった立教大学に、私は深く感謝しています。
物語の種が、いつも、いくつも頭の中にあるという作家もいらっしゃいますが、私にはそのような才能はありません。ただ、様々な人々、様々な経験が私を導いて、ここまで連れてきてくれたのだと思っています。
立教大学で文化人類学に出会い、恩師方、先輩方、友人たちから多くを学ばせていただいたこともまた、私に、物語を生み出す豊かな土台を与えてくれました。その土台がなかったら、これほど長く、物語を紡ぎ続けることは出来なかったでしょう。
作家として歩き続ける土台を授けてくださった立教大学に、私は深く感謝しています。
卒業生についての最新記事
-
2024/10/02 (WED)